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（血統理論カテゴリー １位）
天皇賞春 危険な人気馬レポート
今週の日曜京都メインレースは
G１天皇賞春（芝3200ｍ外回り）
春の天皇賞は、ここ３年こそ１人気が
キッチリと馬券になっておりますが、
それ以前は２００８年アサクサキングス
３着以降、１人気が消え続けたレース
でございますな。
長距離戦ゆえにスタミナタイプが
人気になりやすく、スタミナに特化
しているがために人気でも飛ぶ。
ではどんな血統が理想なのか？
その辺りに迫る事で、まずは危険な
人気馬と言う地雷を回避致しましょう。
天皇賞春の好走血統
３２００ｍと言う長丁場で
先にも申しましたように、
まず真っ先にイメージとして
浮かぶのは「スタミナ重視」
でございましょうか。
もちろんスタミナも重要でございますが
近年の天皇賞春で好走した馬達は、
近３走以内にメンバー上位の
上り３Fタイム順位をマークしていた馬が
大半で、血統構成としても２０００ｍ以下の
重賞レースでも通用するスピードの血を
持っておりました。
例えば、最も極端な例は、天皇賞春を
２年連続で優勝したキタサンブラック。
父はディープインパクトの全兄
ブラックタイドでございますな。
母父は現役時代スプリント王であった
「サクラバクシンオー」と言う配合。
サクラバクシンオーは
欧州発祥のスプリンター血統
プリンスリーギフト系種牡馬。
サクラバクシンオー産駒もやはり
短距離で活躍する馬が多く出ております。
祖母の父はボールドルーラー系で、
これはスピードの持続力を補完する
米国の主流血統でございますな。
そして曾祖母の父は、
欧州ノーザンダンサー系の
主要血統であるリファール。
リファールの血は、サンデー系種牡馬の
スピード能力を底上げする血でございますな。
キタサンブラックは、そのリファールを
４×４のクロスで保持しております。
「クロス」の解説は
↓↓↓
つまり、スタミナの要素は
父ブラックタイドによるもので
母系はスピードと、その持続力の配合。
その他の天皇賞春で好走した馬達も
キタサンブラック程極端ではないものの
「スピードとスタミナの融合型」の
血統構成を持つ馬が圧倒的多数。
１５年・１６年と２年連続で
２桁人気で激走したカレンミロティック。
かじかじ・・・カジカジ・・・
この馬も、父は中長距離型の
サンデー系種牡馬ハーツクライで
母父にボールドルーラー系の大種牡馬
ＡＰインディを持っておりました。
ＡＰインディは、テンからガンガン
飛ばして、ゴールまでスピードを
維持する能力を競う米国競馬の
名血・大種牡馬でございますな。
余談ながら・・・
皐月賞馬のアルアインも
母父はＡＰインディ系ですな。
（父はディープインパクト）
また、祖母の父には
欧州ニジンスキー系の中では
日本の芝に高い適性とスピード能力を
見せた数少ない種牡馬カーリアン。
カーリアンはマイラータイプの
種牡馬で、母の父としては
タイキシャトルやダノンシャーク
と言ったマイルＧ１馬を出した
スピード血統でございますな。
このように人気馬（名馬）も、
爆穴馬も、どちらもスタミナは
お父さんが担当し、お母さんは
スピードとその持続力に特化した
役割を担う。という配合パターン。
つまりは、これが理想的な
配合と言えるレースである。
と申せましょう。
それでは、今年の人気馬
（人気しそうな馬）
について血統評価をして参ります。
今年の出走登録馬
１人気予想 フィエールマン
昨年の優勝馬。
天皇賞春は究極のリピーターＧ１。
同じ馬が何度も馬券になるのは
それだけ特殊な適性を問われやすい
条件であるという事でございましょう。
父ディープインパクトは
当レースも勝っております。
母は欧州のＧ１（2000ｍ）馬。
母父はニジンスキー系で、
マイル的な適性と、持久力を
強化する血でございますな。
祖母の父は欧州のスプリント血統
プリンスリーギフト系で、これは
キタサンブラックに通ずる配合
と申せましょう。
曾祖母の父は、近代日本では
余り耳慣れぬ「リュティエ系」で、
この系統はマイラー血統でございます。
昨年は勝つべくして勝った。
と言っても差し支えない程に
天皇賞春血統でございますな。
唯一の不安材料は、
勢いを失くしたディープ産駒で、
燃え尽き症候群の疑いがある。
という事でございましょうか。
とは言え、３歳春クラシックには
間に合わなかったオクテのディープ。
燃え尽き症候群の不安よりも
「来てまうんやろなぁ・・・」
という諦めの気持ちの方が
拙者は強うございまする(*_ _)
２人気予想 ユーキャンスマイル
昨年は３人気で５着に敗れておりますな。
父はキングカメハメハ
過去１０年で１４頭の産駒が出走し、
馬券絡みゼロの天皇賞春とは最悪の相性。
母父は菊花賞馬ダンスインザダーク。
菊花賞では好成績を残す種牡馬ですが
僅か１Ｆ（２００ｍ）距離が延びるだけで
全く出番のない種牡馬になっとりますな。
天皇賞春には産駒が５頭。
母父としては８頭が出走し
これまた馬券絡みゼロ・・・
祖母父の父はエタン系シャーペンアップ
エタン系自体はスピードを伝える血。
ではございますが、シャーペンアップは
母系に入るとスタミナを伝える血に
変貌を遂げるのでございますな。
唯一、スピードの強化を担うのが
曾祖母父の父である快速馬インリアリティ。
インリアリティ系のカルストンライトオは
２００８年に新潟千直のレコードを更新。
いまだにそのレコードは塗り替えられておらず、
その凄まじいスピード能力を実感させられますな。
全体的にはスタミナが勝った配合で、
天皇賞春の好走血統とは少々ズレた
配合でございますな。
昨年も５着と言えば聞こえは
良いのでございますが、着差は
１秒５という大差負けでございました。
拙者個人としては
買いたくない人気馬でございます。
３人気予想 キセキ
出遅れ癖があり、気持ちの
コントロールが難しいタイプで、
血統以前に長丁場には難しい気性。
と言えるのではございますまいか。
かつて人気で散った
・ゴールドシップ
・オルフェーヴル
・ゴールドアクター
彼らは揃って「気性に難あり」
でございました。
さて、血統面では
父がキングマンボ系種牡馬の
ルーラーシップでございますな。
同じキングマンボ系でも
キングカメハメハが母系が
スピードよりだったのに比べ
ルーラーシップは母父に凱旋門血統
トニービンを持っており、スタミナの
要素を担うには十分な血統のお父さん
でございますな。
さて、問題は母系・・・
母父はディープインパクト。
これはスピード血統ではございません。
祖母の父ドクターデヴィアスは
欧州スタミナ血統のクレイロンの
流れを汲む、英国ダービー馬。
曾祖母の父はダンチヒ系で、
これが唯一のスピードと持続力を
補完する血統でございますな。
総合的に見ますれば
スタミナ色が勝った配合と言う
イメージでございます。
鞍上が主戦の川田殿から
武会長にスイッチするのが
吉と出るのか？
拙者は、キセキの強さは
川田殿が逃げるペースにあると
考えておりまする。
速い流れで逃げて後続に脚を溜めさせず、
持ち前のスタミナと持久力で押し切る。
気性の難しい馬には
最善の戦法でございましょう。
武会長の逃げは、
正確無比なロンジン級の体内時計により
後続が来てもギリギリ残せるペース。
を真骨頂となさっておられるやに
お見受け致しております。
この乗り替りも含め
「不安材料満載の人気馬」
と言うのが拙者の偽らざるところ。
次回予告
次回のレポートでは、
血統から好走が期待出来そうな
伏兵・穴馬に迫って参ります。
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＃ 天皇賞春