昨日のレポートの続き
七夕賞をラップ的に考察して参りまする。
ローカル競馬場のレースが荒れる原因は、
「血統とラップ」
この2つに集約されると拙者は考えておりまする。
ローカル競馬場は、新潟芝外回りコースと
芝1000m直線を除けば、直線の短い内回りコース
ばかりでございますな。
このような、直線の短い小回りコースでは、
前半の方が後半よりも速い「前傾ラップ」
で展開するケースが多く、広く直線の長いコース、
つまり東京のような主流コースでは、逆に後傾ラップの
ラスト3F(600m)におけるトップスピード比べ。
というレース質が大半を占める事になりまする。
サンデー系のランキング上位種牡馬産駒が
いかんなくその力を発揮できるのが「主流コース」で、
ランキング下位の「非主流」種牡馬産駒が活躍できるのが、
ローカル競馬場などの非主流コース。
と言う構図が出来上がってございますな。
要するに、主流コースで「トップスピード比べ」に強い事と、
非主流コースの「前傾ラップ」のバテる事への我慢比べに強いこと
では求められる才能・能力の方向性が真逆になります。
そこで、下位人気でもレース適性の高い「非主流組」が台頭し、
人気する「主流組」をあっさりと退けるのがローカル競馬。
という事で、過去10年の七夕賞の
ラップ傾向をチェックして参りましょう。
七夕賞のラップ傾向
開催年 | 馬場状態 | RP指数 | 前千 | 後千 | R上3F |
2018 | 良 | 41.3 | 58.2 | 62.6 | 38.6 |
2017 | 良 | 45.6 | 58.0 | 60.2 | 36.6 |
2016 | 良 | 43.5 | 57.9 | 60.5 | 37.2 |
2015 | 良 | 54.0 | 59.5 | 58.7 | 34.5 |
2014 | 良 | 48.5 | 58.9 | 59.8 | 36.0 |
2013 | 良 | 49.1 | 58.6 | 60.3 | 35.9 |
2012 | 稍重 | 48.9 | 60.3 | 60.8 | 36.6 |
2011 | 良 | 53.0 | 61.4 | 59.1 | 35.4 |
2010 | 良 | 51.7 | 61.0 | 59.4 | 35.7 |
2009 | 良 | 53.1 | 61.1 | 59.1 | 35.3 |
平均値 | 48.9 | 59.5 | 60.1 | 36.2 |
RP指数と言うのは、
レース自体の流れを数値化したもので、
別名「バテ度指数」とも申します。
この数値が小さいほど、最後の3F(600m)で
全馬がバテバテになっていたレースであった事を意味し、
数値が大きくなるほど、ラスト3Fのトップスピード勝負の
度合いが強いレースであった事を示します。
「前千」は前半1000mのラップ(通過)タイム。
「後千」は後半1000mのラップタイム。
2012年以降の7年間で、後傾ラップになったのは
2015年の1度だけ。他の6回は全てが前傾ラップで、
レースの上り3Fタイムが36秒以上を要する消耗戦でしたな。
今年は逃げ馬が3頭揃いましたが、
ブラックスピネル陣営は「離れた2番手追走」が希望。
というコメントが出されておりました。
タニノフランケルは、RP指数50以下のペースで逃げれば
自分がつぶれるタイプで、しかも鞍上が福永殿に戻るならば、
決して玉砕覚悟の先手争いは致しますまい。
となれば、武士沢殿のマルターズアポジーがハナ。
という事になりましょうか。
勿論、内外に逃げ馬がばらけるような枠順になれば、
先行争いは激化する可能性も出て参りますな。
とまれ、ここではマルターズアポジーの単騎逃げを
想定して、レースの流れを想定して参ります。
マルターズアポジーが2018年以降に
逃げたレースのRP指数は50以下でございますな。
その中で、武士沢殿の手綱であったレースでは
全てがRP指数40台となっており、RP指数が
50を超えたレースはありませぬ。
その辺りを基準にして、今年の出走登録メンバーの
得意なラップパターンを一覧にまとめました。
よろしければ、七夕賞予想のご参考に(*_ _)
↓↓↓
父 | 配合 | 馬名 | コース | 補正T | RP指数 | R上3F |
C | C | アウトライアーズ | 福島芝2000 | 110 | 46.0 | 36.6 |
B | A | ウインテンダネス | 東京芝2500 | 118 | 55.4 | 34.5 |
B | ? | エンジニア | 東京芝2500 | 114 | 64.2 | 33.3 |
C | E | カフェブリッツ | 東京芝3400 | 111 | 60.3 | 34.4 |
C | C | クリノヤマトノオー | 阪神芝2000 | 112 | 50.0 | 36.4 |
C | B | クレッシェンドラヴ | 福島芝2000 | 114 | 46.0 | 36.6 |
C | ? | ゴールドサーベラス | 函館芝2000 | 113 | 53.8 | 35.0 |
C | ? | ストロングタイタン | 阪神芝2000R | 120 | 49.4 | 35.3 |
B | B | ソールインパクト | 東京芝2500 | 115 | 49.1 | 35.8 |
C | D | タニノフランケル | 中山芝2000 | 115 | 51 | 35.5 |
C | C | ブラックスピネル | 阪神芝2000 | 115 | 52.3 | 35.3 |
B | D | ベルキャニオン | 東京芝1600 | 113 | 55.6 | 34.1 |
A | 注 | マルターズアポジー | 阪神芝2000 | 113 | 49.4 | 35.3 |
B | C | ミッキースワロー | 中山芝2200 | 117 | 51.4 | 36 |
C | ? | ロードヴァンドール | 中山芝2500 | 119 | 53.4 | 36 |
C | 注 | ロシュフォール | 新潟芝2000 | 117 | 58 | 33.7 |
2018年以降に、その馬が最も高いパフォーマンスを
示したレースのRP指数を採用して一覧を作成しとります。
血統評価の高いウインテンダネスは、
前走・2走前で凡走しておりますが、
この2つのレースのRP指数はどちらも40台。
つまり「バテバテレース」は苦手と申せましょう。
補正タイムのレベルが、このメンバーでは高く、
netkeibaの予想人気が8番人気でございましただけに
ちょっとばかり残念でございますなぁ・・・
穴馬候補はコヤツら
右端の数字は予想人気
アウトライアーズ | 牡5 | 54 | 野中 | 11 |
ウインテンダネス | 牡6 | 56 | 柴田大 | 8 |
エンジニア | 牡6 | 54 | 津村 | 16 |
カフェブリッツ | 牡6 | 54 | 蛯名 | 13 |
クリノヤマトノオー | 牡5 | 55 | 和田 | 9 |
クレッシェンドラヴ | 牡5 | 55 | 内田博 | 6 |
ゴールドサーベラス | 牡7 | 54 | 藤田菜 | 15 |
ストロングタイタン | 牡6 | 57 | 戸崎圭 | 4 |
ソールインパクト | 牡7 | 54 | 大野 | 7 |
タニノフランケル | 牡4 | 55 | 福永 | 2 |
ブラックスピネル | 牡6 | 57 | 石橋脩 | 5 |
ベルキャニオン | 牡8 | 55 | 丸山 | 14 |
マルターズアポジー | 牡7 | 57 | 武士沢 | 12 |
ミッキースワロー | 牡5 | 57.5 | 菊沢 | 3 |
ロードヴァンドール | 牡6 | 55 | 横山典 | 10 |
ロシュフォール | 牡4 | 55 | 三浦 | 1 |
※黄背景はRP指数50未満で自身の最高パフォーマンスを発揮していた馬。
軽ハンデの3頭
・アウトライアーズ
・クレッシェンドラヴ
・ソウルインパクト
この辺りが楽しみでございますな。。
明日は、日曜中京の重賞プロキンSについて
あれこれと書き綴る予定でございますれば、
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