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エリザベス女王杯2021 出走馬診断
今年のエリザベス女王杯に出走を予定している各馬の、
血統と近親(牝系ファミリー)の実績から、好走馬を探って参ります。
ここに出てこない馬の評価は、
昨日の記事をご覧くださいませ(*_ _)
↓↓↓
アカイイト
父:キズナ(ディープ系)
母父:シンボリクリスエス(欧ロベルト系)
祖母の父:欧ニジンスキー系
牝系ファミリーにOPクラス勝ち馬なし。
牝系ファミリー得意距離1800m・2000m
現状での牝系スケールは3勝クラスが天井
特記事項はありません。
アカイトリノムスメ
父:ディープインパクト
ご存知の通り3冠牝馬アパパネの仔。
アパパネは、エリ女に2回出走して2回とも3着・・・
アパパネが勝ったG1は
全て「根幹距離」のレースで、
2200mという非根幹距離に
適性が低かったのだと考えられます。
主流条件に強いディープ産駒は
基本的に非主流条件では脆いもの。
アカイトリノムスメは果たして?
イズジョーノキセキ
父:エピファネイア(欧ロベルト系)
母父:キングカメハメハ(欧キングマンボ系)
祖母の父:欧ブラッシンググルーム系
牝系ファミリーの本領は1800m・2000m
エピファネイア産駒の牝馬は、2200mが得意ですが
それは左回りに限られており、右回りでは皆目です。
牝系ファミリーも20年前までは活力がありましたが
今では衰退しており、OP活躍馬は出ていません。
特記事項なし。
ウインキートス
父:ゴールドシップ(ステイゴールド系/Tサンデー系)
母父:米ボールドルーラー系
祖母の父:米レイズアネイティヴ系
コスモビューファームの生産馬は、非主流条件を得意としており、
内回りコースや小回りコースで本領を発揮する傾向があります。
父のゴールドシップも宝塚記念と阪神大賞典という
阪神芝内回りコースの長距離重賞で5勝している
「非主流条件型」の競走馬でした。
牝系のスケールは「重賞級」ですが、今のところ
G1好走馬は出ておりません。
特記事項
1勝クラスを勝ちあがるのに6戦を要しましたが、
2勝クラスは2戦で卒業。
3勝クラスは3戦で卒業。
OP入りしてからは、2戦目でG2優勝。
と言ったように、加速度的に能力が上がってきており、
既に充実期に入っているようです。
問題は、コスモビューF生産馬が、関西遠征では
信頼度が大きく下がる事と、G1初挑戦なので、
「昇級戦」と同じように惨敗する可能性も十分。
主役ではないでしょうが、押さえは必要ではないかと。
ウインマリリン
父:スクリーンヒーロー
母父フサイチペガサス(米ミスプロ系)
祖母の父:米ボールドルーラー系
本馬は、スクリーンヒーロー産駒の牝馬らしく、
外回りコースや、直線が長い東京に適性が高そう。
スクリーンヒーロー産駒は、阪神芝2200mで
複勝率36%と、まずまずの成績を残していますが、
これに寄与しているのは全て牡馬であります。
牝馬の場合、阪神コース自体が苦手コースとなっており、
ロベルト系の持つ「スタミナ・持久力」という要素が
牝馬には受け継がれにくい種牡馬なのかも知れません。
また、母父に米国型ミスプロ系を持つ馬は、
阪神芝2200mでは未勝利戦よりも上のクラスでは
1頭も馬券になっておらず、昨年の4着も大健闘だった
という可能性は否定できません。
ただ、昨年のメンバーと比べると、
今年の方が小粒な印象もあり、能力の高さで
圏内を確保する可能性は否定できません。
エアジーン
父:ハービンジャー(欧ダンチヒ系)
母父:フジキセキ(Pサンデー系)
祖母の父:欧ヌレイエフ
ハルーワソングの牝系で、近親には
ヴィルシーナ・シュヴァルグラン・ヴィブロスの
大魔神3兄弟がおりますが・・・
宝塚記念で馬券になったのはヴィルシーナの3着のみ。
基本的に、直線が長いコースの方が合っている印象の牝系です。
ハービンジャー産駒が非常に相性の悪いコースでもあり、
能力的にも3勝クラスで勝ち切れない現状では・・・
クラヴェル
父:エピファネイア
母父キングカメハメハ
祖母の父:サンデーサイレンス
母ディアデラマドレは京都開催のエリザベス女王杯3着。
宝塚記念では0秒3差の6着と、非根幹距離G1でも
それなりの適性を見せておりました。
祖母のディアデラノビアは、G1で3着3回。
(オークス・ヴィクトリアマイル・エリザベス女王杯)
牝系ファミリーのスケールとしては、
決して悪くないと思います。
20歳以下の牝系ファミリー全頭の成績としては、
阪神芝で最多の5勝をを挙げており、そのうち3勝は
内回りコースで挙げたもの。
非根幹距離を特に得意としているファミリーではありませんが、
かと言って、適性が低い訳ではなく、一応の警戒は
しておくにこしたことは無いのではなかろうかと考えます。
ただ、エピファネイア産駒のコース相性の悪さを考えますと
あまり強気に推す気にもなれませんが・・・
コトブキテティス
父:ハービンジャー(欧ダンチヒ系)
母父:キングカメハメハ
祖母の父:サンデーサイレンス
牝系はダートの勝ち星が8割を占めるダートファミリー。
本馬自身は根幹距離型で、血統からも実績からも
推し材料は乏しいと考えております。
シャムロックヒル
父:キズナ(ディープ系)
母父:タピット(米APインディ系)
祖母の父:欧サドラーズウエルズ系
キズナの牝駒は非常に2200m適性が高く、
その複勝率は全距離の中で1位の45.5%。
また、阪神芝コースの成績も、
全10場の中で、最高の20勝を挙げております。
ディープ系×APインディ系の配合馬は
阪神芝内回りコースの「鬼配合」で、
その複勝率は68%に及びます。
さらに、この配合馬からG1ホースが3頭出ております。
(グランアレグリア・アルアイン・シャフリヤール)
シャムロックヒルの牝系からは
G2以上のレースで活躍した馬は出ておらず、
スケール的には足りない印象ではありますが・・・
半姉サラスともども、阪神芝2000m内回りの
重賞を制しており、上位人気の一角が崩れ、
空席が出来るような事があれば、そこに座るのは
この馬かも知れません。
ステラリア
父:キズナ
母父:モチベーター(欧サドラーズウエルズ系)
祖母の父:欧ストームバード系
牝系ファミリーは歴史が浅く、
重賞活躍馬は今のところ出ておりません。
母父にモチベーターを持つ馬には
菊花賞馬タイトルホルダーと、
ドバイターフ2着ヴァンドギャルドがおります。
ただ、母父にモチベーターを持つ馬の
2200m成績は谷間的な成績になっており、
この舞台ではあまり良い印象が持てません。
デゼル
父:ディープインパクト
母父:ルアーヴル(欧ブラッシンググルーム系)
祖母の父:マークオブスティーム(欧ネヴァーベンド系)
母父ルアーヴルは仏国のダービー(2100m)馬。
祖母の父マークオブスティームは英国のマイルG1馬で、
ゴドルフィンのオイルマネーが生んだ初期の代表産駒です。
牝系ファミリーと呼べるほどの数がいない牝系で、
血統の字面から判断するしかないのですが・・・
馬場が重くなる6月開催ならば、
ぜひ買っておきたいところですが、
今の阪神馬場はやや軽めの馬場で、
そこで必要になる「G1級の基礎スピード」を
距離延長ローテで発揮できるかどうか?
ムジカ
父:エピファネイア(欧ロベルト系)
母父:ディープインパクト
祖母の父:欧サドラーズウエルズ
祖母の姉は愛国ダービーと英国オークスを制覇。
祖母の姉の仔サンダースノーはドバイワールドCを連覇。
他にも近親に安田記念2着、宝塚記念3着の
ショウナンマイティなどが出ている豪華な牝系ファミリー。
ですが・・・
祖母の直系からは活躍馬が出ておらず、
いわゆる「傍系」といった印象であります。
ローズS2着の実績はありますが、
その後は3勝クラスでも勝ち上がれず、
別馬との「すり替え」でもない限りは、
このメンバー相手では厳しいと考えます。
ランブリングアレー
父:ディープインパクト
母父:シンボリクリスエス(欧ロベルト系)
祖母の父:リシウス(欧ミスプロ系)
母父シンボリクリスエスは、
現役時代の宝塚記念で1人気5着。
母の半弟には、トーセンラー、スピルバーグの
2頭の種牡馬がおりますが・・・
トーセンラーは宝塚記念4人気5着。
阪神芝内回りでは連対出来ておりませんでした。
スピルバーグも、阪神内回りの大阪杯(G2)で
2人気4着に敗れており、この舞台への適性は
決して高いとは申せません。
阪神芝2200mの重賞では、ディープ牝馬が強いのですが、
母父にノーザンダンサー系(大系統)を持つ馬の好走が
その大半を占めており、母父ロベルト系の活躍はありません。
G1ヴィクトリアマイルで2着の実績はありますが、
この舞台でその力を発揮できるかどうかは疑問の残るところ。
リュヌルージュ
父:モンテロッソ(欧ミスプロ系)
母父:メジロマックイーン(欧トゥルビヨン系)
祖母の父:米レイズアネイティヴ系
モンテロッソ産駒の重賞実績はG3止まりで、
距離も1800mが本領です。
牝系ファミリーでは本馬が出世頭で、
2200mのG1で、どうにかなるようなイメージは
全く湧いてきません・・・
ロザムール
父:ローズキングダム(欧キングマンボ系)
母父:カーリアン(欧ニジンスキー系)
祖母の父:サーアイヴァー(欧ターントゥ系)
牝系ファミリーには6頭しかおらず、
本馬以外はJRAで未勝利という淋しいファミリー。
ローズキングダム産駒は、未だ重賞未勝利で、
G2でも馬券になった馬が出ていないのが現状です。
さらにキングマンボ系×カーリアンの配合馬も
本馬以外は全てJRA未勝利と言うありさまで、
血統の字面からは「一銭も要りません」という評価になります。
「極端な道悪になれば、100円だけ押さえましょう。」
と言うのが拙者の評価です。
レイパパレ
父:ディープインパクト
母父:クロフネ(米ヴァイスリージェント系)
祖母の父:ウイニングチケット(欧グレイソヴリン系)
この馬の能力の高さは疑う余地はありませんが、
問題は「距離適性」であろうかと思います。
戦績を見ても、2200mはやや長い印象ですが、
血統面でもそれを裏付けるデータが出ております。
ディープインパクト×クロフネの配合は、
牝馬の場合、勝ち数のピークは1800mの9勝です。
1600mが7勝で2番目で、2000mになると
3勝と一気に低下して、2200m以上に勝ち星はありません。
また、全兄のシャイニングレイは、
2歳時にはG2時代のホープフルS(2000m)を
勝っておりましたが、古馬になると距離適性が
スプリントに変わってしまい、G2CBC賞を
勝っておりました。
全姉のオーキッドレイも、
本領は1600mから1800m。
前走のオールカマーでは、
ウインマリリンに負けたのは仕方ないとしても、
格下のウインキートスにまで競り落とされたのは
距離の壁を物語っておるのかも知れませんな・・・
ちなみに今回は、ルメール殿に乗り替わりますが、
これは主戦の川田殿が米国遠征後の隔離期間のためで、
別に陣営の勝負気配を表している訳ではありません。
個人的には、天皇賞秋に使って欲しかった
と考えております。
エリザベス女王杯2021の
注目馬2頭はコチラに書いております。
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