重賞レポート 皐月賞②

本日、皐月賞の枠順が発表され申した。

 

ルメール殿が「真中あたりがいいなぁ」

と申されとりましたが、「6枠12番」で

まずは希望通りの枠を引けた「サートゥルナーリア」

 

そのサートゥルナーリアの鞍上が

ミルコ殿からルメール殿へ乗り替り。

この辺りの裏事情に興味津々でございますな・・・

 

ちまたでは、

ホープフルSで、アドマイヤジャスタのルメール殿に

完全に進路をブロックされた騎乗ぶりに批判の声が有り、

ロードカナロアの後継種牡馬を是が非でも育て上げたい

ノーザンファームが、そつなく乗れるルメールを選択した。

 

と言うような、まことしやかなお話もある一方で、

アドマイヤマーズの近藤オーナーが、ミルコ殿を

何が何でも離さなかった。と言うお話もございますな。

 

近藤オーナーはジャスタとマーズの2頭出し。

 

アドマイヤジャスタの方は、ホープフルで、

ガッチリとブロックした僅かな隙間をサートゥルナーリアに、

強引にこじ開けられた挙句に、ノーステッキのまま子供扱い。

 

サートゥルナーリアとは既に勝負付けは済んでおり、

望みはマーズのみ。と言ったところでございましょう。

 

当然ここに来ての乗り替りなど、近藤オーナーにすれば

「ずぇ~ったいに許さぬぞ!」ぐらいの心境のはずで、

乗り替りの真相は、案外後者が正解なのかも知れませぬなぁ。

 

とまれ、まずはこの2頭の分析を中心に

レポートを書き進めて参りとうございます。

 

出馬表と予想人気

アドマイヤマーズは1枠1番。

レポート①に掲載しましたが、

1枠は平均人気が6.7番人気で、

平均着順が8.8着と、人気よりも

2以上着順が悪い「不利枠」でございますな。

 

ただ、この馬は前で競馬するタイプでありますれば、

大きな不利とはならず、むしろ好枠を引き当てたと

解釈すべきかも知れませぬ。

 

①アドマイヤマーズ

昨年の「最優秀2歳牡馬」

血統背景

父   ダイワメジャー(Pサンデー系

母父  メディシアン(欧州ミスプロ系)

父母父 ノーザンテースト

母母父 シングスピール(欧州サドラーズ系)

 

ダイワメジャーの産駒は、マイル以下に勝星が多く

マイラーを出しやすいサンデー系の種牡馬。

但し、ダイワメジャー自身は皐月賞馬でございます。

 

母父のメディシアンは、マイルが主戦場ながら、

2000m級のG1エクリスプS(英国)を勝っておりますな。

 

母はフランスのマイルG3勝ち馬で、

代表産駒はアドマイヤマーズのみ。

 

祖母もマイルG3の勝ち馬。

 

母母父のシングスピールはジャパンカップ勝ち馬。

 

半兄のフレッチアはマイラー。

 

他に牝系ファミリーとなる馬はおらず、

データが少ないので、2000mへの距離適性は

不明でございますが、中山適性については半兄の

フレッチアが4戦して複勝率100%と言う高適性。

 

母父も母母父も2000m以上のG1を勝っており、

特に距離を不安視する必要はなかろうかと存じまする。

 

臨戦過程

前走の共同通信杯では、逃げて上り2位で2着。

レース後のミルコ殿の敗戦コメントに、距離を

敗因とする内容は一言もなく、体型からも

2000mまでは大丈夫そうな印象でございますな。

 

朝日杯では、先週の桜花賞を圧勝した

グランアレグリアを子ども扱いにして完勝。

 

母系が完全な欧州血統でございますれば、

ただの早熟の可能性は低く、今後さらに

成長する可能性も十分に秘めておりましょう。

 

2歳暮れの時点での指数を比較致しますれば、

サートゥルナーリアの遥か上を行く指数で、

予想人気の単勝オッズほどの能力差は無いと

考えておりまする。

 

ただ、馬場が渋ると2000mは

若干つらいかも知れませぬなぁ。

 

サートゥルナーリア

ノーザンファームが今、最も勝たせたいのは

おそらくはこの馬でございましょうなぁ。

 

ロードカナロアの種牡馬価値は、

アーモンドアイの活躍で、既に大きく上がっており、

今はロードカナロアの後継種牡馬を育てる事が

ノーザンファームの至上命題でございましょう。

 

血統背景

父   ロードカナロア(キングマンボ系)

母父  スペシャルウイーク(Tサンデー系)

父母父 ストームキャット(米国ストームバード系)

母母父 サドラーズウェルズ(欧州サドラーズ系)

 

この馬の名血たるゆえんは「母」でございますな。

母シーザリオは走る馬しか出さない名繁殖牝馬で、

現役時代はオークスとアメリカンオークスを制し、

最優秀3歳牝馬に選ばれた名牝でもありました。

 

産駒で出走経験の有る馬全てが勝ち上がっており、

代表産駒は、父シンボリクリスエスのエピファネイア

(菊花賞・ジャパンカップ優勝、皐月・ダービー2着)と、

父キングカメハメハのリオンディーズ(朝日杯)。

 

本馬の父ロードカナロアは、

現役時代マイラー・スプリンターでございましたが、

種牡馬としては、肌馬(母馬)の特性をさらに伸ばす

という傾向の強い種牡馬で、本馬やアーモンドアイの

距離適性は、明らかに母系譲りのもの。

 

ルメール殿が「皐月とダービーは勝てる」

と豪語する程の馬で、ルメール殿の評価は

「アーモンドアイと双璧(そうへき)」

という非常に高い評価でございますな。

 

ちなみに・・・

サートゥルナーリアの兄弟姉妹の

中山2000mの戦績は以下の通り

 

 

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率
中山・芝2000 1- 2- 1- 3/ 7 14.3% 42.9% 57.1%

集計期間:2010. 9.18 ~ 2019. 3.17

 

牝系ファミリー全体の中山芝実績と

芝2000m実績は以下の通り。

 

 

 

場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率
中山 1- 2- 1- 5/ 9 11.1% 33.3% 44.4%

集計期間:2011. 5.21 ~ 2019. 3.17

 

 

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率
2000m 6- 3- 6-13/28 21.4% 32.1% 53.6%

集計期間:2011. 5.21 ~ 2019. 3.17

 

いずれも水準級以上ではあるものの、

正直「え?この程度なん?」

という印象を受けたのは拙者だけでござろうか?

 

臨戦過程

サートゥルナーリアの戦績は3戦全勝。

これが4戦目というキャリアの浅さで、

今後の成長に期待がかかるところ。

 

前走のG1ホープフルSでは、

ルメール殿のアドマイヤジャスタと、

福永殿のブレイキングドーンに上手くブロックされ、

直線で行き場が無い状態。

「あらら、ミルコ殿、やらかしはった」

と思いましたが・・・

 

うわ~これは強いわ(;゚Д゚)と思ったのは、

ジャスタとブレイキングドーンのわずかな隙間に

馬自身が自分の鼻先を強引にねじ込んで行き、

「オラオラオラァ!どかんかい!!」とばかりに

アドマイヤジャスタを弾き飛ばして無理やり

進路を確保するという獣のような闘争心。

 

その後はノーステッキのままジャスタを突き放す、

「先行して上り最速」というおまけ付きの完勝でございました。

 

ただ、その時に掲示板を確保した他の4頭の内

今回出走しないコスモカレンドゥラを除く3頭の

今回の予想人気は・・・

 

ホープフルS上位馬の今回予想人気

2着 アドマイヤジャスタ 予想人気8番人気

3着 ニシノデイジー   予想人気5番人気

5着 ブレイキングドーン 予想人気13番人気

 

このように、今回の予想人気は非常に評価が低く、

一線級相手のG1勝ちではなかったとも申せましょう。

 

まとめ

この2頭のどちらを上に評価するか、

非常に難しいところではございますが、

良馬場であれば、スピードの要求値が高くなるのが

路盤改修工事後の皐月賞の傾向でありまする。

 

その意味では、良馬場ならアドマイヤマーズに

軍配が上がるのではないかと考えとります。

 

ただ、レポート①で取り上げた3頭にも

チャンスは十分にございましょう。

 

出走全馬の適性評価と最終結論は、

レース当日の13時頃までにEZ・WIN予想を

公開致しますれば、そちらでご確認下さいませ(*_ _)

 

以上、重賞レポート皐月賞②でございました。

 

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