上半期最後のG1レースとなる「宝塚記念」が、27日日曜阪神で行われます。
2200mという非根幹距離の内回りコースで行われるため、
日本の主流血統である「サンデー系」の種牡馬を父に持つ人気馬が消え、
非主流血統馬や、主流条件のG1で勝てなかった馬が、ここで初めて
G1タイトルを獲得する傾向が強いレース。
ここでは、血統傾向を含めた「宝塚記念」の傾向と、
今年の出走登録馬の坂路調教の内容から、宝塚記念2021の
有力馬に迫って参りたく存じまする。
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宝塚記念2021 出走馬と予想人気
※出走表はnetkeiba.comさまより拝借(*_ _)
上位人気が予想される3頭が牝馬でございますな。
宝塚記念の傾向
宝塚記念は、先にも書きましたが、「特殊な条件」のレースであるため、
その特殊な条件に適性の高い馬がリピートする傾向がございます。
今年のメンバーでは
・クロノジェネシス
・モズベッロ
・キセキ
この3頭がリピーター候補でございますな。
クロノジェネシスは、父が欧州型ブラッシンググルーム系のバゴで、
母父が米国型ヴァイスリージェント系のクロフネ。
つまり、父にも母父にもサンデー系を持っていない馬でございますな。
モズベッロは、父がサンデー系の中でも欧州指向の強い種牡馬
ディープブリランテで、これは時計の掛かる非主流条件を得意とする種馬。
言うなれば「非主流条件御用達」のような種馬でございますな。
雨馬場なら迷わず押さえるべきでございましょうな。
キセキの父は欧州型キングマンボ系種牡馬のルーラーシップ。
ルーラーシップも母系から欧州型グレイソヴリン系の影響を受けた種馬で、
キセキの祖母の父は、欧州型クレイロン系という「スタミナ血統」で、
英国ダービー馬のドクターデヴィアスございます。
このように、何かしら「欧州血統」の影響を受けた馬が
非常に強いのが「宝塚記念」の特徴と申せましょう。
また、ディープインパクト産駒の場合は「牝馬」である事が前提で、
ディープ牡駒の成績は、過去10年で18頭が出走しておりますが、
2013年2着のダノンバラードが唯一の馬券絡みでございました。
しかし、ディープ産駒の牝馬は、過去10年で12頭が出走し、
6頭が馬券に絡む「複勝率5割」の好走血統でございます。
ただ、ディープの牝駒も、母父が欧州型血統の配合馬が圧倒的に
好走率が高く、母父米国型のディープ牝馬で馬券になったのは、
2015年のショウナンパンドラ(母父ヴァイスリージェント系)のみ。
母父が欧州系のミスプロ系と言う配合馬が、
馬券になったディープ牝馬6頭中3頭を占めております。
今年の登録馬でディープ牝馬は・・・
・カレンブーケドール
・レイパパレ
この2頭でございますが、2頭とも母父は米国型。
カレンブーケドールは母父も祖母の父も米国型で、
馬場が軽いようなら一応抑えるべき。と言ったところでございましょうか。
一方レイパパレの方は、母父がヴァイスリージェント系で、
これはショウナンパンドラと同じ。
そして、ショウナンパンドラ同様に祖母の父が欧州型。
レイパパレの祖母の父は欧州型グレイソヴリン系でございますな。
グレイソヴリン系・ネヴァーヴェンド系・レッドゴッド系
と言った欧州型ナスルーラ系の血は、このレースに非常に相性が良く、
直近2年の宝塚記念では、3着以内に好走した馬6頭全てが、
欧州型ナスルーラ系の血を3代以内に持っておりました。
レイパパレの牝系は、1800mから2000mがベストの牝系で、
今回の距離延長は微妙なところではありますが・・・
牝系ファミリーの2200mへの出走そのものが数少なく、
牝系で唯一の2200m経験馬である、半兄のダノンクライム
(父ヴィクトワールピサ)は、2200m戦に4度出走して
3度馬券に絡んでおります。
前走の大阪杯をハイペースで逃げて圧勝したように、
ぬるいペースでは気性的に折り合いが難しい所がある馬で、
全てを開放して全開逃げを打てば、相当な能力を持っておると
考えて然るべきかと。
その上、キセキを「ハイペース逃げ」で開花させた川田殿の手綱
となれば、今回も自分の競馬に徹してくる可能性は十分。
不安材料は、雨が降らずにスピード能力を求められるような
軽い馬場となった場合に、前走同様のパフォーマンスを
発揮できるかどうか?
と言ったところでございましょうか。
欧州型ミスプロ系にも警戒
欧州型ナスルーラ系に次いで馬券圏内に多数送り出しているのが
キングマンボ系を含む「欧州型ミスプロ系」の血でございますな。
今年の登録馬で欧州型ミスプロ系を3代以内に持つ馬は
・キセキ
・キングミニッツ
・シロニイ
以上の3頭でございます。
非サンデー系の配合馬も要注意
父にも母父にもサンデー系の血を持たない配合馬。
これを「非サンデー系」と呼んでおりますが、
近5年の宝塚記念3着以内馬15頭のうち6頭が
「非サンデー系」の配合馬でございました。
昨年の優勝馬クロノジェネシスも「非サンデー系」配合馬。
2018年などは、3着以内を「非サンデー系」配合馬が独占。
2017年も1着・2着が「非サンデー系」配合馬でございました。
今年の登録馬で「非サンデー系」に該当するのは・・・
・クロノジェネシス
・ユニコーンライオン
・ヨシオ
以上の3頭でございます。
この中で1頭だけ、栗東坂路の最終追いきりで
非常に優秀な加速ラップを刻んできたのが・・・
・ユニコーンライオン
父のノーネイネヴァーは欧州型のストームバード系種牡馬。
母父は欧州型サドラーズウエルズ系のハイチャパラル。
祖母の父も欧州型ノーザンダンサー系と言う配合馬。
前走の鳴尾記念の最終追いきりでも加速ラップを踏んでおりましたが、
今回はさらに優秀なラップタイムを刻んでおり、叩いて上昇する
欧州血統馬らしく、前走以上の出来にあると思われます。
欧州血統馬は、米国血統馬のような
「使い込むと筋肉が硬くなる」
という側面が無く、むしろ逆に「詰めて使う」ことで
スタミナが強化され、パフォーマンスが上がる傾向があります。
レイパパレとの二人旅のような展開になれば、
「2頭そろって前残り」の目も十分にあるのではと愚考致しまする。
宝塚記念2021の爆穴注目馬
栗東坂路の最終追切で、ラスト2Fタイムが24秒を切る
スーパーラップを刻んだこの馬・・・
血統傾向としても悪くなく、時計が掛かる馬場になれば
少し楽しみになる存在でございますな。
この馬の馬名はコチラから
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