重賞レポート G3中山牝馬S

今週土曜の重賞は

「G3中山牝馬ステークス」

が開催されまする。

舞台は中山芝1800m内回りコース。

400mで割り切れない「非根幹距離」の重賞で、

さらにハンデ戦という事もあり、1・2番人気が

揃って馬券になるのは稀なレースでございますな。

されば、血統傾向、特に牝系ファミリーの

非根幹距離適性が重要になって参りましょう。

中山芝1800mのコース攻略ガイド

にも書きましたが、「コース巧者」に要注意の

舞台でございますれば、その辺りも含め

今年の馬券圏内有力候補を炙り出してましりましょう。

過去5年のレース傾向

・脚質傾向

基本的には中団よりも前で競馬出来る馬。

2014年の馬場改修以降、4コーナーを

2ケタ順位で回った馬が連対した例はござりませぬ。

しかしながら、後方からの競馬でも、

徐々にポジションを押し上げられるような

器用さの有る馬には注意が必要でございますな。

・血統傾向

上級条件(1000万クラス以上)のレースで

複数回馬券になった種牡馬は以下の通りでございます。

※対象は今年の出走登録馬のみでございます。

種牡馬別集計(牝馬限定)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率
ディープインパクト 8- 3- 3-25/39 20.5% 28.2% 35.9%
メイショウサムソン 0- 2- 1- 7/10 0.0% 20.0% 30.0%
ステイゴールド 0- 2- 1- 8/11 0.0% 18.2% 27.3%
ハービンジャー 0- 0- 3- 7/10 0.0% 0.0% 30.0%
ルーラーシップ 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0%

集計期間:2014. 3.16 ~ 2019. 1.20

ディープ産駒の場合は、母父ノーザンダンサー系

というのがモアベターな配合でございます。

・4L系統

4L系統とは?⇒ ココをクリック

今年の出走登録馬のうち12頭が該当しており、

絞り込み材料としては、少々役不足ではございますが・・・

4L系統内に「ミスプロ系」または

「米国型ナスルーラ系」の血を持つ馬が

非常に3着以内率が高こうございますな。

距離適性

・自身の適性

自身が上級条件の1800mや、

その他の非根幹距離に実績が有るのは・・・

ほぼ全ての馬が該当しますな(>_<)

特に高い適性が認められる馬は太字で表記、

更にこの舞台が最適と思われる馬は

赤文字表記と致しまする。

・アッフィラート

・アドマイヤリード

・ウインファビラス

・ウラヌスチャーム

カワキタエンカ

クロコスミア

デンコウアンジュ

・ノームコア

フロンテアクイーン

・フローレスマジック

・ミッキーチャーム

ランドネ

レイホーロマンス

・ワンブレスアウェイ

・牝系ファミリーの非根幹距離適性

牝系ファミリーの適性を診断して参ります。

・アッフィラート

ファミリーの1800m適性は高いものの

準OPで頭打ちの家系でもございますな。

アドマイヤリード

1800mへの適性は高いものの、

中山・阪神ではパフォーマンスが

数段下がる傾向が見られます。

ただし、本馬は2走前に当コースのOP特別で、

牡馬を相手に完勝しており、前走金杯でも好走。

牝馬限定戦ならば重賞でも勝ち負け出来ましょう。

ウインファビラス

全兄は先日の中山記念で

G1馬達を一蹴したウインブライト。

ただ、一族全体が1800m巧者という訳では無く、

本馬も、兄程の適性は無いと言うのが正直なところ。

ウラヌスチャーム

1800m・2200mに適性の有る一族。

中山にも適性が認められ、血統の字面上も

父ミスプロで母母父が米国型ナスルーラ系。

要注意の1頭でございましょう。

・カリビアンゴールド

距離は1600・2000mがベスト。

1800mには勝ち鞍が無く、重賞のここでは?

カワキタエンカ

一族には活躍馬はおらず、本馬の戦績が全て。

近走はぼろ負け続きでございますが、これは

いわゆる「煙幕」でございましょう。

マイル戦・ダート戦の成績は度外視するならば、

さほど大きく負けておるわけでは無く、

白い灰に包まれた中に、赤々と燃えるものが

隠れておる可能性は十分にございましょう。

・クロコスミア

一族の活躍馬は本馬のみ。

距離適性は高いものの、中山で

馬券になった事が無い一族でございますれば、

過度の期待は慎むべきかと存じまする。

・デンコウアンジュ

マイルが本領の一族で、非根幹距離は苦手。

地力の高さで3着に紛れ込む可能性は

否定できませんが、積極的に狙いたい

という馬ではございませぬ。

・ノームコア

3歳牝馬のクロノジェネシス・ビーチサンバは

同じ一族の出身で、エリートファミリーの一員。

距離は融通が利き、1200m~2400mなら

どの距離もそつなくこなす一族でございますな。

ただ、

中山においては1800mは苦手な印象で

マイルか2000mが本領のイメージ。

主戦のルメール殿が騎乗停止で、

田辺殿に乗り替わる今回は3着押さえ評価が

妥当ではなかろうかと存じまする。

フローレスマジック

本馬自身が中山1800mは4戦して

複勝率100%というコース巧者。

全兄弟姉妹にサトノアラジン・ラキシスと

G1馬がおり、なおかつ一族の1800mでの

複勝率は80%という驚異的な1800巧者一族。

前走マイル重賞で大敗を喫している為に

netokeiba.comの下馬評は9番人気。

しかし前走マイル戦だった場合の一族の戦績は

6- 4- 3- 4/17  35.3% 58.8% 76.5%

このように複勝率が8割に迫るすさまじい戦績。

場所も、京都以外の競馬場は、

全て複勝率50%を超える優秀さで、

非根幹距離では絶対に無視してはならぬ1頭。

出遅れ癖が気になるところではございますが、

道中で徐々にポジションを上げる器用さがあり、

ここまで人気しないのであれば、この馬から

攻めるのも楽しい馬券となりましょう。

フロンテアクイーン

一族の本領は、1600・1800と2200m。

マイル以外は非根幹距離を得意としておりますな。

中山適性も高く、前走がマイル戦だった場合の

複勝率は82%と驚きの数字でございます。

昨年の2着馬でもあり、ここは前走度外視で。

ミッキーチャーム

ファミリーは、先日新馬勝ちした全弟のみ。

本場自身1800mは得意距離で、不安要素は

ゴール前の急坂でどうなるか?

という事くらいでございましょう。

中京の未勝利戦で負けておりますれば、

坂の有るコースは割引材料となる可能性も

否定はできますまい。

ランドネ

外国産馬であるため、一族のデータは

数が少なく、物差しにするのはためらわれます。

本馬自身1800mは得意距離で、ダート色の濃い

血統背景も、このレースでは加点材料となりますな。

データ数は少ないものの、距離短縮ローテで

パフォーマンスを上げる傾向が見られる一族で、

前走以上も有り得ると考えて然るべきかと。

・レイホーロマンス

昨年の3着馬ではございますが、

少々勢いに欠ける感もございますな。

一族は非根幹距離でパフォーマンスを上げますが、

中山コースは御世辞にも得意とは言い難い戦績。

距離短縮には適性の高い一族でございますれば、

「念の為押さえる」と言うのが正解ではなかろうかと。

・ワンブレスアウェイ

距離は1800mが最も優秀な一族ながら、

完全なサウスポーファミリーでございますな。

本馬自身もその傾向が強く、

一族の血をいかんなく受け継いでおるものと

考えるのが妥当でございましょう。

右回りのここでは無用でございましょうなぁ。

以上、中山牝馬ステークス出走登録全馬の

適性診断レポートでございました。

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