今年の菊花賞は阪神開催。
京都開催の菊花賞(良馬場)では、
直線のトップスピードを問われましたが、
阪神開催となりますと、求められる
能力が全く変わります。
阪神で求められる能力とは・・・?
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※シュヴァリエローズは回避の模様。
※菊花賞に限りフルゲートは18頭になります。
抽選対象馬
テーオーロイヤル
ノースザワールド
ハギノピリナ
マカオンドール
ワイドエンペラー
除外対象馬
トーホウバロン
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阪神芝3000mで求められるのは?
「阪神芝3000m内回り」
ご存知の通り、このコースは
「G2阪神大賞典」の専用コース。
と言う事で、阪神大賞典の
過去10年(11回)が
データの参照対象となります。
まず、大まかな血統傾向としましては・・・
父(種牡馬)は・・・
「母系から欧州血統の影響を受けた種牡馬」
母系はズバリ欧州血統が主流になりますな。
母父が米国型の場合は、
母がストームキャットの直仔であるか、
祖母の父がサドラーズ系やロベルト系などの
「自己主張が強い欧州血統」であるか。
ちなみに、
なぜ母父米国型なら
ストームキャット直仔なのか?
と申しますと・・・
ストームキャットは非常に
勘気の強い気性だった馬で、
能力で負けていても「根性」で
何とかするようなタイプの馬でした。
ストームキャット直仔は、
その「根性」を受け継いでいる確率が高く、
ラスト3Fでの減速率が高いタフなレースでも
好走するケースが非常に多い。
と言うのが理由でございます。
さて、お話を戻しますと・・・
外回りで直線が長く平坦な
京都芝3000m外回りで行われる
良馬場の菊花賞では、母父に「米国型」の
血統を持つ「直線のトップスピード強化型」
が強い事はご存知の通りですが・・・
内回りコースを2周(1周半)して、
ゴール前の急坂を2度超える、
直線の短い阪神3000mコースでは、
ゴール前で全馬がバテている状態で、
「切れ味」を発揮できる場面は無く、
スタミナとパワーを補う役目を担う
「欧州血統」を持つ事が、非常に
有利になるのでございますな。
つまり・・・
京都と阪神では同じ3000mでも、
求められる能力が真逆になる。
という事が、血統傾向にも顕著に
反映されている訳でございまする。
京都では、スタミナよりも直線の
トップスピードが求められるのに対し、
阪神では、バテてからもジリジリと
伸び続けられる「欧州的な持久力」を
問われることになる。
と言う事でございます。
要するに、近年のように、
馬場が高速化する以前の菊花賞血統が、
阪神に舞台を移すことで復活する。
と言うのが拙者の思い込みでございまする。
以上の事を踏まえた上で、
自身の距離実績や、牝系ファミリーの
実績を考慮し、今年の菊花賞で
注目したい馬を何頭か挙げておきまする。
菊花賞2021 危険な人気馬
今年の菊花賞で、
「これは要らんやろ」
と考え、消しの予定にしている馬がおります。
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菊花賞2021 注目馬
2011年以降のG2阪神大賞典で、
3着以内に入線した馬の距離実績を
チェックしてみますと・・・
芝2200mに勝ち星が有った馬が
33頭中28頭もおりました。
やはり、阪神大賞典以外に
使用される事のない特殊な
「非主流条件」であるため、
同じ日主流条件の2200m実績は
非常に大きな意味を持つものと思われます。
また、阪神大賞典は「差し馬有利」な
馬場になる事が多く、レースの上り3Fタイムも
36秒以上を要するのが当たり前のレース。
ゆえに、レースの上り3Fタイムが
36秒前後を要するような馬場や展開で、
メンバー上位の上り3Fタイムを刻んでいた
差し・追込み馬には要注意でございましょう。
これらの点にも留意して、
注目馬を選定して参ります。
※注目馬には、除外馬や、
回避馬が含まれる場合もあります。
あくまでも現時点での注目馬になります。
・アサマノイタズラ
父:ヴィクトワールピサ
ヴィクトワールピサの母系は
母父が欧州ミスプロ系マキャベリアン。
祖母の父は欧州ブランドフォード系。
母父:欧州リファール系
祖母の父:欧州サドラーズ系
ヴィクトワールピサ産駒に、
3000m級の実績はありませぬが、
血統のテーマには適っております。
母父がキングヘイローと言えば、
今年の阪神大賞典を勝った
ディープボンドと同じ母父でございますな。
また、祖母の父が
サドラーズ系オペラハウスで、
オペラハウスの代表産駒テイエムオペラオーは
阪神大賞典を圧勝し、天皇賞春を連覇した馬。
父の距離適性不足を補って
余りあるだけの血統構成を持っておりますな。
前走はトライアルのセントライト記念を
追込んで上り最速で快勝しており、
距離実績としてもテーマをクリアしております。
そして、G2スプリングSで
「タイム差無し」の2着に好走した際の
「レースの上り3F」は37秒を要しておりましたが、
そこで上り2位をマークしておりました。
不安材料は、前走が休み明けの激走であったため、
その反動が気になる事と、初めての長距離輸送で
馬が入れ込まないか?と言ったところでございますな。
・オーソクレース
父:エピファネイア(欧州ロベルト系)
母は馬場の重い宝塚記念で
ドゥラメンテを破って優勝したマリアライト。
祖母の父は、欧州キングマンボ系の
エルコンドルパサー(凱旋門賞2着)
さらに、サドラーズウェルズの
4×5クロスを保持しておりますな。
2200mの勝利実績はありませんが、
父は不良馬場の菊花賞を勝っており、
母系もスタミナとパワーに優れた一族。
・ステラベローチェ
父は凱旋門賞馬のバゴ。
そのバゴ産駒唯一の菊花賞勝ち馬として、
母父にサンデーサイレンスを持つ
ビッグウィーク【2010年】がおりますな。
また、バゴの父ナシュワン(英国2冠馬)の母は、
ディープインパクトの母ウインドインハーヘアの
叔母にあたると言う血縁関係がございます。
ステラベローチェの母父は、
そのウインドインハーヘアの仔ディープインパクト。
つまり、父方と母方の両方に
ウインドインハーヘアの牝系を持っておるのでございます。
ちなみに、ディープインパクトは現役時代に、
稍重馬場でレース上りが37秒5を要した
阪神大賞典を「持ったまま」で大楽勝し、
その次走の天皇賞春をレコードタイムで圧勝しております。
ビッグウィークは、母父サンデーサイレンスの
前向きさを受け継いだ先行馬でした。
一方、ステラヴェローチェは、母父ディープインパクトの
道中で脚を溜めて、最後で弾けると言う脚質を
受け継いだ「追込み馬」でございます。
脚質の違いはありますが、
阪神芝3000mが「差し有利」になりやすい
と言う事を考えますと、阪神での開催は
ステラヴェローチェにとって有利な材料に
なるのではないかと考えております。
・ディヴァインラヴ
オーソクレースと同じく、
父:エピファネイア
母父:ディープインパクト
の配合馬で、エピファネイア産駒の
成功パターンと言える配合でございますな。
ただ、母系の米国色が強く、
上り時計が掛るようですと
少々不安でございますな。
・ハギノピリナ(抽選対象)
父は、今年の阪神大賞典勝ち馬である
ディープボンドと同じキズナでございますな。
そして母父はフォーティーナイナー系
アドマイヤムーンでございます。
キズナの産駒、特に牝馬は、
芝の短距離向きに出る事が多いのですが、
母父にフォーティーナイナー系を合わせる事で、
産駒の距離適性が2200m以上に
変化するというデータが出ております。
そして、種牡馬としては
「スプリンター量産種牡馬」という
イメージが強いアドマイヤムーンですが、
母系に入ると、アドマイヤムーン自身の
現役時代の特徴を醸し出すのですな。
ご存知の通り、アドマイヤムーンは
宝塚記念、ジャパンカップ、ドバイデューティーFと
3つの中長距離G1を制しておりました。
また、軽い馬場での切れ味勝負よりも、
上り時計の掛かる「馬力」を求められる馬場で
その能力をいかんなく発揮しておりました。
3000mが守備範囲になるかどうかは
微妙なところではありますが、曾祖母の父に
ステイヤー血統のファイントップ系の血
「ディクタス」が入っており、その影響が
強く出ているようであれば、警戒は必要でしょうな。
ちなみに、ディクタスからは
直仔のサッカーボーイを通じて、
菊花賞馬ナリタトップロード、ヒシミラクルの
2頭を出しております。
また、3冠馬ミスターシービーの母父も
ファイントップ系でございました。
阪神開催の菊花賞では、
大昔の菊花賞血統には注意したいものです。
・マカオンドール(抽選対象)
父のゴールドシップは、
阪神大賞典を3連覇したスーパーステイヤーで、
阪神内回りコースのG1宝塚記念も連覇しております。
むろん菊花賞馬でもあり天皇賞春馬でもあります。
母は、種牡馬バゴ(凱旋門賞他)の半妹であり、
英仏のG1馬であるマキソワ(マキシオス)の
半姉でもあります。
「上り時計の掛かる欧州指向の長距離レース専用血統」
と言って差支えなさそうな配合馬で、
今回の距離延長は歓迎材料であり、
出走が叶えば、前走で後塵を拝した
ディヴァインラヴを逆転できるのでは?
と考えております。
・レッドジェネシス
父はディープインパクト
母はストームキャット(米国)直仔
祖母はサドラーズウェルズ(欧州)直仔
と言う配合馬でございますな。
冒頭の方でも書かせて頂きましたが、
母父にストームキャットを持つ馬は、
母父米国型の中では、珍しくラスト3Fの減速率が高い
タフなレースでも頑張れる傾向がございますな。
それに加えて、祖母がサドラーズウェルズの直仔となれば、
全馬がバテバテになるようなレースでも、涼しい顔で
ゴールを通過する可能性が高いと思いまする。
ちなみにですが・・・
2019年の阪神大賞典(稍重)で、
逃げて3着に粘り通したロードヴァンドール(10人気)は、
短距離指向の強いダイワメジャー産駒ですが、母父が
ストームキャットと言う配合でございました。
この時のレース上り3Fは38秒0を要しており、
上り最速だった勝ち馬シャケトラの上り3F時計が
37秒6という、物凄~く上り時計の掛かる
「減速率の高いレース」でございました。
レッドジェネシス自身、連対したレースは
未勝利戦を除くと、全てレース上りが36秒以上を
要する「減速率の高いレース」であり、
今の阪神芝コースの状態は、大きな歓迎材料でございましょう。
・ヴィクティファルス
父:ハーツクライ
母父:ガリレオ(欧サドラーズ系)
祖母の父:シルバーホーク(欧州ロベルト系)
この配合は、日本の軽い馬場で
直線のトップスピードを競うレースには
全く不向きな配合で、成長曲線としても
皐月賞やダービーで好走できるはずのない、
3歳春にどうこうなるような早熟性のかけらもない
古馬で強くなるような配合でございますな。
この馬を注目馬に入れた理由はいくつかありますが・・・
その一つは、ハーツクライ産駒は前走距離と比べて
3F(600m)以上の距離延長を非常に得意としておる事。
もう一つは、母の全兄が、欧州の長距離G1活躍馬であること。
そして最後は「祖母の父」でございますな。
シルバーホークと言う種牡馬は、
産駒にスピードを与える事が無く、
与えるのは「無尽蔵のスタミナとパワー」
という、欧州指向の長距離戦以外では、
日本では役に立つ機会の少ない種牡馬。
それゆえに、今の阪神芝コースの
「上りが掛かる」路盤状態と、直線が短い
3000mの内回りコースに替わる今回は、
変わり身を見せる可能性が少なからずあるのでは?
と考えております。
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菊花賞2021期待2頭は、
コチラに馬名を書いております。
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