大阪杯は、G1に昇格して今年が
5年目という歴史の浅いG1レース
でございます。
過去4年分しかデータが
ございませんので、まずは
阪神芝2000m内回りコース
の特徴と血統傾向について、
あらためておさらいして参りましょう。
なお、血統傾向につきましては、
重賞に限定してデータを確認して参ります。
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メインスタンド前直線コースの
下り部分からスタートし、すぐに
高低差2m弱の急坂を駆け上がるレイアウト。
1コーナーまでの距離はおよそは325m。
スタート直後に急坂越えが有るため
ペースはあまり上がらず、スローから
ミドルペースの出現率は約8割。
1コーナー手前から3コーナーの
手前まではほぼ平坦で、そこから
最後の直線の急坂入口まで800m
の区間で高低差2m弱をゆるやかに
下って行き、残り200mから
最後の急坂が待ち構えております。
直線コースが約350mと短めで、
急坂越えに備えて十分に加速を
つける為に4角のコーナーワーク
で加速が始まる「ロングスパート戦」
になりやすく、レースの上り3F
タイムは古馬(4歳以上)のOP
クラスでも平均で35秒近くかかる
「上り時計の掛かる」コースですな。
それゆえ、先行して渋太く脚を
伸ばせるタイプが強く、4角後方
から直線一気の追込みで3着以内
に届くのはわずかに1割という
アベレージでございます。
よって、中心視すべきは・・・
前走で先行して、なおかつ
上り3Fタイム順位が5位以内
というような脚質の馬という事になりましょうか。
過去10年間に阪神芝2000mで
行われた全ての重賞の種牡馬別成績は
以下の通りでございます。
↓↓↓
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 10- 9- 9-44/72 | 13.9% | 26.4% | 38.9% | 121 | 90 |
キングカメハメハ | 6- 1- 4-32/43 | 14.0% | 16.3% | 25.6% | 51 | 43 |
ステイゴールド | 3- 4- 5-20/32 | 9.4% | 21.9% | 37.5% | 133 | 121 |
ハーツクライ | 3- 1- 0-22/26 | 11.5% | 15.4% | 15.4% | 79 | 48 |
ルーラーシップ | 2- 1- 0- 7/10 | 20.0% | 30.0% | 30.0% | 71 | 45 |
ハービンジャー | 1- 1- 1-13/16 | 6.3% | 12.5% | 18.8% | 91 | 53 |
ローエングリン | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
エイシンフラッシュ | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2011. 4. 3 ~ 2020.12. 5 牡牝共通データ
牡馬・セン馬データ
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 5- 3- 8-31/47 | 10.6% | 17.0% | 34.0% | 90 | 65 |
キングカメハメハ | 4- 1- 2-24/31 | 12.9% | 16.1% | 22.6% | 42 | 39 |
ステイゴールド | 3- 3- 3-14/23 | 13.0% | 26.1% | 39.1% | 185 | 125 |
ハーツクライ | 3- 1- 0-12/16 | 18.8% | 25.0% | 25.0% | 129 | 79 |
ルーラーシップ | 2- 1- 0- 7/10 | 20.0% | 30.0% | 30.0% | 71 | 45 |
ハービンジャー | 0- 1- 1- 3/ 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% | 0 | 86 |
ローエングリン | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
エイシンフラッシュ | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2011. 4. 3 ~ 2020.12. 5
限定条件:牡・セン馬のみ
牝馬データ
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 5- 6- 1-13/25 | 20.0% | 44.0% | 48.0% | 181 | 138 |
キングカメハメハ | 2- 0- 2- 8/12 | 16.7% | 16.7% | 33.3% | 75 | 51 |
ハービンジャー | 1- 0- 0-10/11 | 9.1% | 9.1% | 9.1% | 133 | 39 |
ステイゴールド | 0- 1- 2- 6/ 9 | 0.0% | 11.1% | 33.3% | 0 | 111 |
ハーツクライ | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
エイシンフラッシュ | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2011. 4. 3 ~ 2020.12. 5
限定条件:牝馬のみ
ディープ産駒の場合は、牡馬よりも
牝馬の方が成績が優秀でございますな。
阪神芝2000mは
内回りコースという事で、
ラスト4F(800m)の
ロングスパート戦になりやすく
欧州の競馬に近レースになりやすい
という事で・・・
瞬発力<持久力
と言う構図が出来るコースでございますな。
その為、海外の競馬にも強い
ステイゴールド産駒が群を抜く
好走率を誇っております。
つまり、ディープ×米国型
と言う切れ味重視の配合よりも
欧州血統も持っている方が
有利になりやすいコースである。
と申せましょう。
今年の登録馬の中では
以下の面々が血統的には
恵まれやすい。と考えられます。
・アドマイヤビルゴ
父:ディープインパクト
母父:欧州ミスプロ系
祖母父:欧州ブラッシンググルーム系
曾祖母父:欧州ニジンスキー系
本馬自身が阪神2000mで2勝。
前走は距離延長と非根幹距離戦で、
休み明け好走の反動もあったものと
考えられますな。
値段が高けりゃ走る
と言うものでもありませぬが
なにせ6億円の高馬。
母系が欧州血統で
母はフランスのマイルG1で
1勝2着1回3着2回という
マイラー血統でございますな。
G1大阪杯はマイル重賞で
3着以内に好走した経験がある馬が
人気薄で好走する傾向が有り、
G1昇格後の4年間で6人気以下で
馬券になった3頭全てに共通しておりました。
今回は2勝している休み明けで
延長失敗後の短縮ローテ。
加えて、母系の欧州色の強さから、
古馬になって覚醒する可能性が高く、
フィエールマンのような強さを
見せる可能性は否定できませんな。
・キセキ
父:ルーラーシップ
母父:ディープインパクト
祖母父:欧州トゥルビヨン系
曾祖母父:米国ダンチヒ系
父ルーラーシップ自身、
母父に欧州トニービンを持っており、
G1勝ちは香港のG1と言う
欧州指向の強い競走馬でした。
出遅れると、このコースでは
届かないでしょうが、ポンッと出れば
地力は有るので怖い存在。
・クレッシェンドラヴ
父:ステイゴールド
母父:欧州サドラーズウエルズ
祖母父:欧州エタン系
曾祖母父:欧州ミルリーフ系
血統のイメージ通り
重い馬場、小回り2000mの
ロングスパート戦を得意としており、
日曜の雨予報が当たるようなら
ちょっと面白い存在。
・サリオス
父:ハーツクライ
母父:欧州ニジンスキー系
祖母父:欧州ダンチヒ系(デインヒル系)
曾祖母父:欧州ブランドフォード系
有馬記念でお世話になった
サラキアの半弟でございますな。
ハーツクライ産駒は、
馬体の完成が遅いために、
一般的には3歳春では先行出来ない
脚質の産駒が多い種牡馬ですな。
それが、古馬になって馬体が完成
すると、前に行く脚が出来るため、
脚質の転換が完成期の目安になる
ケースが多いのも特徴。
ただ、本馬は2歳戦から
先行出来る脚を見せており、
それだけ基礎能力が高いもの
と考えられます。
姉のサラキアは、
完成までに時間が掛かりましたが、
本馬は春のクラシックでも活躍しており、
ハーツクライ産駒としては、
スワーヴリチャードや、
リスグラシューに近い存在である
と捉えております。
また、
ハーツクライ産駒の多くは、
前走よりも前半3Fタイムが
速くなりやすい距離短縮が合わず、
前走よりも追走スピードが落ちる
延長ローテを得意としております。
本馬は2走前の毎日王冠で、
その苦手な短縮をこなして
優勝致しましたが、前走は
さらに短縮ローテとなる
マイルチャンピオンシップで
5着に敗れました。
今回は距離延長ローテとなり、
前走よりも前半3Fタイムが
遅くなるのはほぼ確実。
成長曲線を考えますと、
コントレイルよりも上位に
評価して問題ないものと
考えております。
馬体の完成を迎えた時、
どこまで強くなるのか?
それが今回であればと、
期待に胸が膨らみますなぁ。
(実際には腹が膨らんどりますが)
・※※※※※※※※
ディープ×米国型の配合ですが、
祖母の父に欧州ナスルーラ系を保持。
母は小回りコース時代の中京2000m
で開催されたローズSで、アーモンドアイの
お母さん「フサイチパンドラ」を破っておりますな。
本馬自身が新潟の外回りコースで
上り最速をマークしております。
よく、直線の長い新潟外回りで
上り最速をマーク出来るのは、
切れ味が凄いから。
と勘違いされますが・・・
新潟の外回りコースは
直線距離が660mもある
日本一直線の長いコースで、
持久力・持続力を問われる
「ロングスパート」適性を
問われるコースであります。
そこで上り最速をマークして
勝つという事は、それだけ
ロングスパート戦に適性が高い
という事になりますな。
ディープは牡駒より牝駒の方が
成績が良く、当コースの重賞で
好走した多くのディープ牝駒は
母父が米国型で、祖母父は欧州型
と言う配合でございました。
この馬の馬名はここに書いております。
↓↓↓
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