本日、皐月賞の枠順が発表され申した。
ルメール殿が「真中あたりがいいなぁ」
と申されとりましたが、「6枠12番」で
まずは希望通りの枠を引けた「サートゥルナーリア」
そのサートゥルナーリアの鞍上が
ミルコ殿からルメール殿へ乗り替り。
この辺りの裏事情に興味津々でございますな・・・
ちまたでは、
ホープフルSで、アドマイヤジャスタのルメール殿に
完全に進路をブロックされた騎乗ぶりに批判の声が有り、
ロードカナロアの後継種牡馬を是が非でも育て上げたい
ノーザンファームが、そつなく乗れるルメールを選択した。
と言うような、まことしやかなお話もある一方で、
アドマイヤマーズの近藤オーナーが、ミルコ殿を
何が何でも離さなかった。と言うお話もございますな。
近藤オーナーはジャスタとマーズの2頭出し。
アドマイヤジャスタの方は、ホープフルで、
ガッチリとブロックした僅かな隙間をサートゥルナーリアに、
強引にこじ開けられた挙句に、ノーステッキのまま子供扱い。
サートゥルナーリアとは既に勝負付けは済んでおり、
望みはマーズのみ。と言ったところでございましょう。
当然ここに来ての乗り替りなど、近藤オーナーにすれば
「ずぇ~ったいに許さぬぞ!」ぐらいの心境のはずで、
乗り替りの真相は、案外後者が正解なのかも知れませぬなぁ。
とまれ、まずはこの2頭の分析を中心に
レポートを書き進めて参りとうございます。
アドマイヤマーズは1枠1番。
レポート①に掲載しましたが、
1枠は平均人気が6.7番人気で、
平均着順が8.8着と、人気よりも
2以上着順が悪い「不利枠」でございますな。
ただ、この馬は前で競馬するタイプでありますれば、
大きな不利とはならず、むしろ好枠を引き当てたと
解釈すべきかも知れませぬ。
昨年の「最優秀2歳牡馬」
父 ダイワメジャー(Pサンデー系)
母父 メディシアン(欧州ミスプロ系)
父母父 ノーザンテースト
母母父 シングスピール(欧州サドラーズ系)
ダイワメジャーの産駒は、マイル以下に勝星が多く
マイラーを出しやすいサンデー系の種牡馬。
但し、ダイワメジャー自身は皐月賞馬でございます。
母父のメディシアンは、マイルが主戦場ながら、
2000m級のG1エクリスプS(英国)を勝っておりますな。
母はフランスのマイルG3勝ち馬で、
代表産駒はアドマイヤマーズのみ。
祖母もマイルG3の勝ち馬。
母母父のシングスピールはジャパンカップ勝ち馬。
半兄のフレッチアはマイラー。
他に牝系ファミリーとなる馬はおらず、
データが少ないので、2000mへの距離適性は
不明でございますが、中山適性については半兄の
フレッチアが4戦して複勝率100%と言う高適性。
母父も母母父も2000m以上のG1を勝っており、
特に距離を不安視する必要はなかろうかと存じまする。
前走の共同通信杯では、逃げて上り2位で2着。
レース後のミルコ殿の敗戦コメントに、距離を
敗因とする内容は一言もなく、体型からも
2000mまでは大丈夫そうな印象でございますな。
朝日杯では、先週の桜花賞を圧勝した
グランアレグリアを子ども扱いにして完勝。
母系が完全な欧州血統でございますれば、
ただの早熟の可能性は低く、今後さらに
成長する可能性も十分に秘めておりましょう。
2歳暮れの時点での指数を比較致しますれば、
サートゥルナーリアの遥か上を行く指数で、
予想人気の単勝オッズほどの能力差は無いと
考えておりまする。
ただ、馬場が渋ると2000mは
若干つらいかも知れませぬなぁ。
ノーザンファームが今、最も勝たせたいのは
おそらくはこの馬でございましょうなぁ。
ロードカナロアの種牡馬価値は、
アーモンドアイの活躍で、既に大きく上がっており、
今はロードカナロアの後継種牡馬を育てる事が
ノーザンファームの至上命題でございましょう。
父 ロードカナロア(キングマンボ系)
母父 スペシャルウイーク(Tサンデー系)
父母父 ストームキャット(米国ストームバード系)
母母父 サドラーズウェルズ(欧州サドラーズ系)
この馬の名血たるゆえんは「母」でございますな。
母シーザリオは走る馬しか出さない名繁殖牝馬で、
現役時代はオークスとアメリカンオークスを制し、
最優秀3歳牝馬に選ばれた名牝でもありました。
産駒で出走経験の有る馬全てが勝ち上がっており、
代表産駒は、父シンボリクリスエスのエピファネイア
(菊花賞・ジャパンカップ優勝、皐月・ダービー2着)と、
父キングカメハメハのリオンディーズ(朝日杯)。
本馬の父ロードカナロアは、
現役時代マイラー・スプリンターでございましたが、
種牡馬としては、肌馬(母馬)の特性をさらに伸ばす
という傾向の強い種牡馬で、本馬やアーモンドアイの
距離適性は、明らかに母系譲りのもの。
ルメール殿が「皐月とダービーは勝てる」
と豪語する程の馬で、ルメール殿の評価は
「アーモンドアイと双璧(そうへき)」
という非常に高い評価でございますな。
ちなみに・・・
サートゥルナーリアの兄弟姉妹の
中山2000mの戦績は以下の通り
コース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
中山・芝2000 | 1- 2- 1- 3/ 7 | 14.3% | 42.9% | 57.1% |
集計期間:2010. 9.18 ~ 2019. 3.17
牝系ファミリー全体の中山芝実績と
芝2000m実績は以下の通り。
場所 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
中山 | 1- 2- 1- 5/ 9 | 11.1% | 33.3% | 44.4% |
集計期間:2011. 5.21 ~ 2019. 3.17
距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
2000m | 6- 3- 6-13/28 | 21.4% | 32.1% | 53.6% |
集計期間:2011. 5.21 ~ 2019. 3.17
いずれも水準級以上ではあるものの、
正直「え?この程度なん?」
という印象を受けたのは拙者だけでござろうか?
サートゥルナーリアの戦績は3戦全勝。
これが4戦目というキャリアの浅さで、
今後の成長に期待がかかるところ。
前走のG1ホープフルSでは、
ルメール殿のアドマイヤジャスタと、
福永殿のブレイキングドーンに上手くブロックされ、
直線で行き場が無い状態。
「あらら、ミルコ殿、やらかしはった」
と思いましたが・・・
うわ~これは強いわ(;゚Д゚)と思ったのは、
ジャスタとブレイキングドーンのわずかな隙間に
馬自身が自分の鼻先を強引にねじ込んで行き、
「オラオラオラァ!どかんかい!!」とばかりに
アドマイヤジャスタを弾き飛ばして無理やり
進路を確保するという獣のような闘争心。
その後はノーステッキのままジャスタを突き放す、
「先行して上り最速」というおまけ付きの完勝でございました。
ただ、その時に掲示板を確保した他の4頭の内
今回出走しないコスモカレンドゥラを除く3頭の
今回の予想人気は・・・
ホープフルS上位馬の今回予想人気
2着 アドマイヤジャスタ 予想人気8番人気
3着 ニシノデイジー 予想人気5番人気
5着 ブレイキングドーン 予想人気13番人気
このように、今回の予想人気は非常に評価が低く、
一線級相手のG1勝ちではなかったとも申せましょう。
この2頭のどちらを上に評価するか、
非常に難しいところではございますが、
良馬場であれば、スピードの要求値が高くなるのが
路盤改修工事後の皐月賞の傾向でありまする。
その意味では、良馬場ならアドマイヤマーズに
軍配が上がるのではないかと考えとります。
ただ、レポート①で取り上げた3頭にも
チャンスは十分にございましょう。
出走全馬の適性評価と最終結論は、
レース当日の13時頃までにEZ・WIN予想を
公開致しますれば、そちらでご確認下さいませ(*_ _)
以上、重賞レポート皐月賞②でございました。
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