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日本ダービー2021は良馬場開催が濃厚。
良馬場の軽い馬場で行われるダービーは
直線のトップスピードが非常に重要になります。
またCコース替わり1週目という事で、
内の馬場も傷みがカバーされているために
ある程度の前向きさは必要になります。
血統面では、ディープインパクト産駒が過去10年で6勝を挙げており、
現在3連勝中の破竹の勢いでございますな。
ディープインパクトは、過去10年で12頭の産駒を3着以内に
送り込んでおり、2位キングカメハメハ産駒・ハーツクライ産駒の
3着以内馬各4頭の3倍にあたる驚異的な成績でございます。
そして馬場の高速化が著しい近5年で強いのは、
母父に米国型血統かダンチヒ系などの直線スピードを
強化する血を持っているか、母か祖母がスプリンターである事。
さらに祖母の父にもインリアリティ系などの
スピード血統を詰め込まれたディープ産駒の
コントレイル、ダノンキングリーが2年続けて連対。
直線のトップスピード争いに拍車がかかっている状況ですな。
ちなみにですが・・・
母父が欧州型血統のデイープ産駒で優勝したのは、
近5年ではワグネリアンのみでございます。
ワグネリアンの場合は、母父がダービー馬キングカメハメハ。
祖母のブロードアピールが芝ダートを問わず、1400m以下の重賞で
14度の馬券絡みを果たした一流のスプリンターでございました。
この時期の3歳馬は、スピード能力が一流であれば
2400mをこなせるケースが多く、過去の距離実績に
あまりこだわりますと、好走する可能性の高い馬を
見落とすことにもなりかねませぬ。
そして、ダービーにおいて
「邪魔になる血」
というものも存在致します。
それは欧州型ノーザンダンサー系の
サドラーズウェルズの血でございますな。
サドラーズの血は非常に主張の強い血であり、
サドラーズの血が入る事で、どうしても成長曲線が
穏やかになるために、今の時期では完成度が足りない。
というのがまず1点。
そして、究極の直線スピード争いで求められる
スピードを削ぎ、スタミナ寄りの適性が前に出てしまう。
という事が2点目でございます。
古馬になって、馬体が完成すれば、
ジャパンカップで通用するようなスピードも見せますが
未完成な3歳春の時点では、どうしてもスピード不足に
なってしまう傾向がございます。
日本ダービー2021の出走馬で、父がディープインパクト。
母父が米国型かダンチヒ系という配合を持ち、母系に
サドラーズウエルズ系の血を持っていないのは4頭。
5番 ディープモンスター
8番 ヨーホーレイク
10番シャフリヤール
16番サトノレイナス(牝馬)
ディープモンスターは、非根幹距離の2200mで
パフォーマンスを上げており、根幹距離のG1で
通用するかどうか微妙な印象でございますな。
しかし、母父がダンチヒ系で、祖母の父にも
米国型ノーザンダンサー系ディキシーランドバンドを持っており、
スピードの強化と早熟性の促進効果を補完する配合である事を考えれば、
鞍上が主戦の武豊殿に戻る点とあわせて、押さえておきたい1頭ですな。
ただ・・・
勢いがないディープ産駒は、ダービーで好走した例がなく、
前走で掲示板を外しているディープ産駒が、ダービーで
3着以内に好走した例はございませぬ。
ヨーホーレイクは、母父が米国型ノーザンダンサー系の
ヴァイスリージェント系「フレンチデピュティ」でございます。
ヴァイスリージェントの系統は高速馬場への適性が高い事で知られております。
そして祖母の父は、ニジンスキー系の中でもマイル的な
スピードを伝えるカーリアン。
曾祖母の父は、距離延長での大穴血統である
ダマスカス系を持っており、ダマスカスの血は持続力の強化血統。
高速馬場で、タイトな流れになれば一発もありそうですな。
シャフリヤールは、皐月賞馬アルアインの全弟ですな。
兄はダービーでは小差の5着に敗れておりますが・・・
母は米国のスプリントG1で1勝2着1回3着1回の実績馬。
母父は米国型APインディ系。
祖母の父グレイトアヴァブは米国型の短距離型血統ヒムヤー系種牡馬。
産駒には米国G1を6連勝したホーリーブルがおり、ホーリーブルの流れから
日本でJBCスプリントG1勝ち馬ダノンレジェンドが出ておりますな。
母系からしっかりとスピードを補完されたディープ産駒で、
なおかつ勢いもございます。
前走「毎日杯組」は、過去10年で4頭が出走して1頭も
馬券になっておりませんが、その4頭の毎日杯での時計は
非常に地味なもので、時計的な価値はあまり評価できぬものでした。
しかしながら、シャフリヤールは毎日杯をレコードで勝っており、
時計的なレベルを考えれば、従来の毎日杯組と同列に考えるのは
いささか危険であるやも知れませんな。
また、一部では距離不安説もあるようですが・・・
「ディープインパクト×APインディ系」の配合馬は、
2400mにおける複勝率は約4割と高く、特にスピード能力に
優れておれば、今の時期の3歳馬はこなす可能性は十分にございましょう。
サトノレイナスは7年ぶりの牝馬参戦になります。
前走「桜花賞」ではレコードタイムで勝ったソダシとタイム差無し2着。
そこにルメール殿騎乗という事で、下馬評では2人気想定となっております。
サトノレイナスは、菊花賞3着馬サトノフラッグの全弟でございますが、
その兄はダービーで4人気11着に惨敗しております。
母のバラダセールはアルゼンチンの競走馬として
アルゼンチンオークスを制しておりますが・・・
これはダートの2500mで行われるG1で、本来はスピードよりも
パワーやスタミナを供給するような血でございますな。
それを理由に桜花賞では軽視して、痛い目に合わされましたが・・・
母系の特色とは裏腹に、マイルG1をレコードタイムで駆けるのは、
父ディープインパクトに似たのかも知れませんな。
ただ、それ故に、東京2400mG1に牡馬にまざって出るのは
スタミナ面での不安が先立つように思えるのでございます。
桜花賞2着からダービーに参戦し優勝したウオッカの再来となるのか?
非常に興味深い所ではございますな。
あとは・・・
母父に入ったディープインパクトにも無論注意が必要となりましょう。
ステラヴェローチェ
父バゴ(ブラッシンググルーム系)
母父ディープインパクト
祖母の父は米国型ミスプロ系の中でも
直線スピードを強化するゴーンウエスト直仔グランドスラム。
グランドスラムは米国の1600mダートG1勝ち馬で
BCスプリントG1でも2着の短距離馬でございました。
またバゴの父ナシュワンはイギリスのマイルG1とダービーの勝ち馬で、
ディープインパクトの母ウインドインハーヘアと共通の牝系出身馬。
ノーザンファーム生産のバゴ産駒の成功率の高さには
目を見張るものがあり、全ての距離条件で総合的にみたデータでも
複勝率が50%を超えるという凄まじさでございます。
その上、G1におけるノーザンファーム生産「バゴ産駒」の
複勝率は実に9割を超えており、バゴ産駒のクロノジェネシスは
オークスでも3着に走っておりました。
ただ、ステラヴェローチェは軽い馬場では馬券に絡んでおらず、
父バゴの欧州的な特性を強く引き継いだ可能性は否定できませぬ・・・
高速馬場になった場合、スピード負けするシーンも考えられますが、
能力の高さだけで3着以内に走るやも知れませぬなぁ。
アドマイヤハダルは父がロードカナロア。
究極のスプリンターを父に持ち、母父にディープインパクト。
ディープにスピード血統を掛け合わせるという部分では、
ダービー配合理論にマッチしておりますな。
牝系ファミリーからは、オークス2着馬のスイープトウショウが
出ており、祖母の父ダンシングブレーヴは凱旋門賞馬。
そして、曾祖母の父はプリンスリーギフト系で、これはスピード強化血統。
スピード能力とスタミナ要素をバランスよく配合された血統構成で、
軽い馬場のスピード比べになれば、復調気配が強烈に漂う鞍上ミルコ殿
込みで面白い存在だと考えます。
この馬に触れずに終わると読者の皆様から
「お前はハゲか!」(禿ではないですが・・・)
と叱られそうですので・・・
1人気確実なエフフォーリアについて・・・
父は欧州ロベルト系種牡馬のエピファネイア。
母父はサンデー系種牡馬としては欧州色の強いハーツクライで、
祖母の父クリスはイギリスの短距離型競走馬でございました。
系統は欧州エタン系(ネイティヴダンサー系)の種牡馬ですな。
また、クリスの父シャーペンアップは早熟のスプリンターでございました。
ただ・・・
エタン系の血は、母系に入ると「スタミナ強化」に働くケースが多く、
普通に考えますと、良馬場のダービーではスピード要素に欠ける
欧州指向が強い配合馬ではございますな。
しかし、現3歳世代では間違いなくトップクラスの能力を持っており、
強い弱いで言えば「強すぎる」という事になってしまいます・・・
ですが、強い馬が必ず勝つわけではないのが競馬の面白い所。
従兄弟のアドマイヤムーンは、ダービーでは7着に敗れながらも、
古馬になって本格化し、ジャパンカップを勝っております。
母父がハーツクライの本馬は、アドマイヤムーンよりも
晩成傾向が強くなる可能性は否定できませぬ。
更に申さば・・・
エピファネイア産駒で、前走2000mからの延長ローテで
2400mを勝った牡馬が今のところ居ないのも気になる所。
ダービーで最も有利と言われる1枠に入った事で
強運の持ち主であることも考え合わせますと、重い印を
打つしかございませぬが、よりダービー適性の高い何かに
脚元をすくわれる事態も想定しておきたいと存じまする。
最後になりましたが、
1頭気になっておる爆穴候補馬が居ります。
※※※※※※※
父はダービー馬で、母系には直線スピードを強化する
米国型ミスプロ系ファピアノのクロスを保持し、さらに
フォーティナイナー系の血でもスピードを強化しております。
母父はアルゼンチンの芝マイルG1勝ち馬で、
アルゼンチンの芝は日本と同じく高速馬場でございますな。
前走の成績からは非常に狙いづらいところではございますが、
スピードに特化した母系の配合から考えますと、良馬場の
東京2400mに舞台が替わるのは吉兆でございましょう。
これまでに「軽い馬場の直線が長いコース」と言うのは経験がなく、
秘められた才能を、ここで見せる可能性を楽しみにしております。
この馬の馬名はコチラ
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View Comments
くまもんさんこんにちは。
そうじろうです。
いつもためになるお話しありがとうございます
東京優駿は現在思案中ですが
※30年以上乗り替わりは頭ナシ→⑦頭
※良馬場では父or母父でサドラーズ持ちは馬券外→④頭
※青葉賞1着馬は頭ナシ→③頭
以上の事から頭候補は
サトノレイナス or ステラベローチェ or エフフォーリア
ただエフフォーリアのサドラーズをどう判断するべきか悩んでいます
その他2&3着候補は
ヨーホーレイク ワンダフルタウン アドマイヤハダル
シャフリヤール ラーゴム
母母父サドラーズは目をつむって
レッドジェネシス グラティアス
シャフリヤールですが、
母父APインディ系はダービーでは馬券になっていないと思うのですが、こなせるのでしょうか?
日曜日までどっぷり思案しながらBestアンサーを見つけようと思います❗
お忙しいとは思いますが、お身体御自愛ください。
そうじろうさん こんばんは!
コメントを頂き有難き幸せ(*_ _)
ディープとAPインディ系の配合は
アルアインとグランアレグリアしか
G1では馬券になっておりません。
2400mの重賞では結果が出ていませんが、
拙者が注目する理由は、管理が藤原英厩舎だからです。
藤原英厩舎のディープ産駒♂は芝2400mで
複勝率が59.4%、複勝回収率は136%
という高いアベレージをマークする厩舎です。
亀谷師もよく仰っておられますが
「血をはぐくむのは人」
藤沢和厩舎のディープ産駒が
1800m以上の重賞で一度も馬券になっていない
という例を、大阪杯の時にご紹介しましたが
育成方法により、何を引き出すのかに
大きな違いが出るのは事実です。
今回シャフリヤールが馬券になるかどうか?
それはタイムマシンが買えぬ貧乏な拙者には
分かりようもございませぬが・・・
可能性があるのなら、人気的に馬券妙味は
そこそこにあるのではないかと。
全兄アルアインのダービーは
超スローペースからの上り勝負で、
持続力を活かすタイプのアルアインには
非常に不利な展開で、先行勢全滅でしたが、それでも
3着馬とはタイム差無しの5着に粘っておりました。
APインディ系はダート戦での厳しい流れでも
ゴールまでスピードを落とさない持続力強化血統。
今年のダービーもスローからの
ドッカンターボ勝負になれば苦しいでしょうが
ある程度の流れになるようなら、持続力と
兄を上回るスピードがあれば馬券圏内は
普通にあるのではないかと考えております。
兄のダービーより相手は遥かに楽ですし。
ちなみにですが・・・
能力的にはエフフォーリアが抜けているようですが
高速馬場のダービーとなれば、スピード要素に
少々不安がある配合ですので、人気程の信頼感を
拙者は持っておりませぬ。
それではダービーの発売締め切りまで
予想をお楽しみ下さい。
くまもん
くまもんさん こんばんは。
そうじろうです。
大変お忙しい中 目から鱗のコメントありがとうございます
参考にさせていただきます!
その後の発見としては
20年分のダービーを振り返りながら
今更ながら気づいたのですが
この20年重賞勝ちのない馬で連対したのはロジャーバローズだけなんですね
そうなるとサトノの連対が消え、
頭候補は
◆エフフォーリアかステラヴェローチェ!
エピファ産駒が最内枠で揉まれる事態を考えると…
横武君、今日も内で包まれて1番人気飛ばしてましたね
2着まである候補は
◆ラーゴム(リーチザクラウンっぽい)
◆ワンダフルタウン(ルーラシップの成長度が不安)
◆シャフリヤール(1800m迄しか経験ない馬は馬券になっていないというが少し不安)
3着候補は
◆ヨーホーレイク
◆アドマイヤハダル
◆サトノレイナス
あとは
サドラーズ持ちのレッドジェネシス&グラティアスをどう料理するか考えてみます
本当にありがとうございました