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アイビスサマーD. 重賞血統レポート

 

 

 

 

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今週唯一の重賞「G3アイビスサマーダッシュ(芝1000直)」

 

JRAで唯一の直線重賞レースで、サマースプリントシリーズの第3戦となりますな。

レースの好走血統「父・母父」に加え、「スパイス血統」に特徴のあるレースでございます。そのあたりの検証と、今年の該当馬探しを進めて参りまする。

 

 

 

G3アイビスサマーダッシュ 血統分析

 

 

新潟芝1000mの最高峰レースだけあって、好走馬の血統傾向は

「特殊なもの」となっております。

 

新潟千直コース攻略ガイドにも書きましたが、開催時期に左右されずに馬場が

きれいな外ラチ近くを走るコースを奪い合うために、スタート直後から一斉に

外ラチ沿いを目指して馬が殺到するため、スタートダッシュが利かない馬は、

馬込みで揉みに揉まれることとなり、前が壁になり通しという窮屈なレースを

強いられることになりますな。

 

そのため、し烈なポジション争いが起こりやすく、テンからガンガンに飛ばすようなレースとなりまする。

 

その様は、米国のダート競馬さながらで、そのレース質が「血統傾向」に

大きな影響を与えております。

 

つまり、スタートダッシュからのスピードを、ゴールまで持続させる能力を

強く求められる。という事になり、必然的に米国で鍛えられた血統が、非常に

有効となる訳でございますな。

 

それでは、過去5年のアイビスサマーダッシュにおいて、5人気以下で馬券に

絡んだ4頭について血統構成を見て参りましょう。

 

 

2019年 8枠16番オールポッシブル(9人気3着)

 

前走は芝1200mで16着。

千直には初参戦での好走でございました。

 

新潟と同じく「野芝」のみの開催の「夏の小倉」で準OPを勝ち上がり、

オープン入りしてからの4戦は大差負けばかりを繰り返した後の

大駆けでございました。

 

余談ですが、2勝クラスを勝ち上がったのはダート戦でございました。

 

 

父はpサンデー系ダイワメジャー

母父がヘイロー系の為、軽い芝馬場でのスピード強化効果が強い

ヘイローの3×4クロスを保持しております。

ちなみにヘイローは米国型血統でございまする。

 

そして母父「ヤンキーヴィクター」の母父はカロ系

カロの血は、テンから飛ばす競馬において「スピードの持続力」を

強化する血でございますな。

 

祖母の父はヒムヤー系という今ではマイナーな血統でございますが、

米国の短距離スピード系の血でございまする。

 

また、ノーザンテーストの血を持つ馬の好走も目立ちますな。

ノーザンテーストの血は、産駒に「距離不問の万能性」「底力・勝負根性」を

授ける血で、レースの格が上がるほど、その能力を発揮する血ですな。

 

 

 

2018年 6枠12番 ナインテールズ(8人気3着)

 

前走で芝1200mの準OPを勝ち上がり、昇級戦での好走。

3走前に準OPの千直で3着の実績がございました。

 

父は欧州サドラーズウエルズ系のローエングリン

ローエングリンは現役時代にG2マイラーズカップでレコード勝ちした快速馬。

 

その父シングスピールは母父に名牝グロリアスソング(ヘイロー系)

を持っており、日本のG1ジャパンカップの勝ち馬でございますな。

 

母父にノーザンテースト系メジロライアン。

 

祖母の父に米国型ミスプロ系のファピアノの血を持っております。

ファピアノは、スピードタイプの種牡馬でございます。

 

 

 

2017年 8枠15番 ラインミーティア(8人気1着)

 

近3走全てが千直で、3走前に2勝クラスを勝ち上がり、2走前は準OPで

4着。前走は格上挑戦のOP特別ハンデ戦で52キロの軽量で4着。

 

そして、一気に斤量4キロ増で重賞に臨んだことが人気薄となった原因でございましょう。

 

 

父のメイショウボーラーは、13戦11勝のスーパースプリンター

タイキシャトル」の産駒で、自身はダートでも芝で重賞で活躍した

スプリンターでございました。

 

メイショウボーラーの母父は、スピード能力を底上げする

米国型ノーザンダンサー系のストームキャット

 

ラインミーティアの母父は、サドラーズウエルズの全兄弟フェアリーキング。

 

兄のサドラーズウェルズよりも日本向きのスピードを持っており、

母系に入ってG1高松宮記念勝ち馬のスズカフェニックスや、

マイルチャンピオンシップ馬のサダムパテックを出しております。

 

また、短距離王国のオーストラリアや香港競馬でも繁栄している系統でございますな。

 

祖母の父オグリキャップは米国型ネイティヴダンサー系。

ネイティヴダンサーは、大種牡馬ミスタープロスペクターの祖父。

 

現役時代は22戦21勝。ダート1300mでの世界レコードを樹立した快速馬で

そのスピードを、確実に産駒に伝える血として世界中で繁栄した血。

 

 

 

2015年 6枠9番 シンボリディスコ(9人気2着)

 

前走は準OPの芝1200mで3着。

2走前は千直の準OPで2着。

この馬も格上挑戦での参戦でございました。

 

 

父のアドマイヤマックスは、高松宮記念の勝ち馬で、スプリンターズSでも

3着に好走していたスプリンターで、母父にノーザンテーストを持ちますな。

 

母父は日本を代表するスプリンター「サクラバクシンオー

キタサンブラックの母父でもありますな。

 

サクラバクシンオーの源流は、ナスルーラ系の中でも特に日本の芝に

適性の高いスピード血統のプリンスリーギフト系で、スタートダッシュの

速さと、スピードの持続力を伝える血でございます。

 

 

祖母の父は米国型ボールドルーラー系で、千直に非常に相性の良い重要血統。

 

直仔のシアトルスルーから現在の米国競馬の主流血統であるAPインディ

を出したナスルーラ系の大種牡馬でございますな。

 

本来はダート向きの血ではありますが、平坦コースの芝には強く、

スピードの持続力に優れた血統でございます。

 

 

 

以上、過去5年のアイビスサマーダッシュで穴をあけた馬の

血統分析でございました。

 

 

次回のレポートでは、出走メンバーの血統分析と、有力候補の絞り込みを

進めて参りとうございまする。

 

 

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